2010年1月8日金曜日

菅財務大臣誕生で鳩山政権は持ち直すか

 昨年末から正月にかけて激増していた鳩山内閣に対する国民の批判的な声が、今回の菅副総理の財務大臣就任によって微妙に変化してきたように感じる。

 頻繁に流される菅財務大臣の就任を伝えるニュースで、野党時代の菅氏の官僚に対する強烈な対決姿勢を再びあたしに思い起こさせてくれた。それはあの「エイズ問題」で厚生省の役人が存在しないと言い張っていた重要な資料を当時の菅厚生大臣が見つけ出し、霞ヶ関の役人がいかに大うそつきであるかを証明した記念すべき場面である。その菅氏が財務省という官庁の中の官庁といわれる組織のトップに就くことに、少しも期待をせずにいるというわけにはいかない。これは民主党が政策の基幹としている「官から政治主導へ」の転換を強力に推し進めるきっかけになるのではないか、とあたしはひそかに思う。

 迅速な決断を下さないとの定評がある鳩山首相にあって、今回即座に財務大臣の後任に菅副総理を決めたことは評価すべきことだと思う。藤井前財務大臣が旧大蔵省出身の財務関係の重鎮で、予算編成にあたってその手腕に多くを委ねざる得なかったとしても、あたしには藤井氏にまとわりつく自民党的な体臭がどうしても漂ってきて、記者会見の席上で藤井氏が発言するとバックに見える民主党のシンボルマークが自民党のそれに変化するのである。この時あたしは本当に政権交代したのだろうかとヘンな感覚に陥ることがある。

 小さな島国ニッポンの、それもたかが財務大臣の交代劇で、鳩山政権が抱える多くの問題が解決するわけでもないが、政権にとって悪い材料ではない。また今まで開店休業状態と揶揄された国家戦略室の長であった菅氏が思い切り暴れまくる場をもらったともいえそう。それも今後2~3ヶ月もスポットライトが当てられ続ける華やかなステージである。否が応でも士気は高まるではないか。重責の財務大臣になったことで彼の手腕が以前のように、いやそれにも優ることを望むあたしみたいな国民は少しはいるだろう。

 鳩山首相が財務大臣に菅副総理をあてがったことで、一時的に鳩山首相に対する国民の批判は和らぐかもしれない。これから2~3ヶ月、通常国会での予算審議を菅財務大臣が無難にこなすとはとても思えないが、反官僚を旗印に役人との対決姿勢を見せ、国民の支持をバックに乗り切ることは可能である。

 菅財務大臣が就任早々「もう少し円安がいい」と確信犯的に発言したことは、彼の為替に関する浅学を露呈したのではなく、自分の発言の重さはどの程度かを確かめたのではないか、とあたしは思っている。

 今回の菅財務大臣の誕生で鳩山政権に対する風当たりは少しは和らぎそうかと思いきや、これから通常国会が開会されて、すべての予算が成立するまでの間に危惧されることはやはり「政治とカネ」の問題である。鳩山首相に関して言えば、もし母親が国会で証人喚問されるような事態になれば、鳩山首相の退陣のおそれもあるだろう。その場合、菅財務大臣が首相に就く可能性はあるがこれはもう一方の小沢幹事長の「政治とカネ」の問題が絡んでくる。検察がどこまで本気でやってくるか、それは鳩山政権支持率と民主党支持率によって影響されるのは避けられない。共に限りない黒に落ち着くとしても、両者共に放逐されるような事態は誰もが避けたいと思うだろうし、その場合は片方ををスケープゴートとして差し出す代わりに、他方を見逃してもらう方法を考えるかもしれない。

 政治の世界はかくも非情で容赦ないものである。そういう中で国民の生活を守り、国の発展を図らなければならないのに、日本には生半可な気持ちでこれに関わろうとする政治家が多い。政治に対して真摯であるかどうかは、人に優しいとか、正直だとかという面だけで判断を下すものではない。

 今までの官僚主導による日本の政治のゆがみを直すという点からみれば、民主党の進んでいる方向は大きくズレてはいないと思うが、そのことに沿って強烈なパワーを発揮することのできる政治家が数えるほどしかいないのが事実。
 
 ダッチロールする鳩山政権が今年どのような活躍をしてくれるか。去年に引き続き更に失望を味わさせてくれるのか。今回の財務大臣の決定に珍しくまともな動きを見せてくれただけに、懲りもせず一縷の望みを託す気持ちになるわけである。
 

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