2009年8月29日土曜日

暖かい心の政治家を選んでください

 「シルクロ-ド 路上の900日」(大村一朗著)の文中に、つぎのような描写がある。

 筆者はインドを旅してリキシャに乗ろうと値段の交渉を始める。それをしているうちに次第に不安になってくる。自分は運賃を値切ってどのくらい得をするのだろうか。このやせ細ったリキシャの男と自分を比べると、どうみても男のほうが裕福とは思えない。日本円にしてわずか数十円の金を値切ったところで、自分にとっては無に等しい。せいぜい仲間うちで「これだけ値切った。すごいだろう」と吹聴するのが関の山だ。それに比べ、リキシャの男にとってこの金額は家で待っている子供のミルク代や、病気の妻の治療代になるほどのものだ。いったい自分はここで何をしているのか。

 現地のほかの客はリキシャの男の言い値で、値切りもせずに乗り込む。その客が言うには「われわれは自分より貧しいものに対しては、進んで喜捨をするのです。確かに中には吹っかけた値段があるかもしれないが、それも喜捨の気持ちで納得します」

 あたしがこの本を読んだのは1年前だけど、今でもこの文章が記憶に残っている。文章の細かい部分で違いがあるかも知れないけど、今の日本人が失ったものを思い出させてくれる。政治家や大富豪や大企業の経営者に欠けたものが見えてくる。

 湯水のように無駄な税金を使い、一方でお年寄りを苛めるような税金を取り立てて、なんのこれしきの税金でワアワア騒ぐことねえだろう、とべらんめえ口調で話す政治家がいる。

 あすの選挙では心の温かい政党、政治家を選んでくれるようお願いしたいなあ。 

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