2009年10月9日金曜日

花王のエコナは消えてしまうのか

 花王の人気食用油「エコナ」に発がん性物質に変化する可能性が指摘されて販売中止に追い込まれたというニュースは、ずっと前から愛用者であったあたしにしてみれば、心穏やかに済まされない出来事だ。

 特定保健用食品として表示することを許可されていたけど、問題が表面化して8日、花王はこの表示を返上する失効届けを消費者庁に提出し、販売を中止するという。消費者団体などから安全性に疑問があるといわれ、消費者庁が厳しい姿勢を打ち出したことで止む無く販売中止に追い込まれた、というのが本音だろう。でも販売中止になるのは19品目もあるんだよね。あたしの食道を通過したものはどれか、たくさんあってわかりゃしない。

 花王では「エコナ」シリーズの商品で年に200億の売り上げと食品全体の4割を占めるというから、直ちに販売中止にするわけにはいかなかったようだね。あたしの乏しい商品の販売戦略の知識をひも解くと、一つの商品の販売額がその会社の総売り上げの2割以上を占めると経営上あまり好ましくないようだよ。売り上げの大きい商品は看板商品と一時的にもてはやされるが、一方では爆弾を抱えているようなもんだ。ましてや4割も占めていたらその商品を手放すことは経営土台をゆるがすことにもなる。花王も苦しい判断を迫られたんだね。

 ところで、あたしが長年摂取してきた「エコナ」の中で発がん物質の疑いを持たれた成分はあたしの体の中で一体どうなったんだろう。

 「エコナ」に含まれる「グリシドール脂肪酸エステル」というのが曲者で、これが体内で遊離して「グリシドール」になると危ないという。体内でどの程度遊離するかはわかっていないけど、「グリシドール脂肪酸エステル」を多く摂ればその分「グリシドール」に遊離するのも多くなるだろうね。

 「グリシドール脂肪酸エステル」はパーム油に多く含まれるという。パーム油といったら結構たくさんの食品に含まれているみたいだ。食品の成分表示ラベルを見たらわかるけど、あたしの台所にある全ての食品ラベルを見たら怖いので止めた。

 「エコナ」に含まれる「グリシドール脂肪酸エステル」はパーム油の100倍と予測している「2009年8月24日、食品安全委員会新開発食品(第62階)・添加物合同専門委員会」。この委員会でも「緊急に健康影響について調査すべき」であるといっていたらしいよ。

 「エコナ」の安全性に関する厚生労働省のHP上の記述が今年9月に削除されているのを知っていましたか?しかし厚生労働省の他のHPで見ることができるようだ(http://web.archive.org/web/20051001144410/http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/050921-1.html)。

 あたしがいつも疑問に思うのは、こういった食品の安全性について問題点が発覚する数ヶ月前には、必ずといっていいほど監督官庁や関係団体のHPに不可解な行動がみられることね。自分たちにとって都合のよくない情報は削ったり、あるいは余りアクセスしない場末のHPに移したりしている。現に「エコナ」のことについて検索すると10数件に1箇所くらいが削除されていたり、ジャンプ先不明になるんだよね。

 「グリシドール脂肪酸エステル」の安全性について、”「安全性への懸念を明確に示す報告」はないけど、「安全性への懸念を示す報告」はある、というのが現状です”と花王は報告している。 うーん分かりづらい。

 花王で一般食用油と同程度の「グリシドール脂肪酸エステル」を含む商品をあらためて開発しようとしているけど、それだと体内に脂肪をためない効果はないんじゃないの。脂肪をためない効果がない「エコナ」は魅力ないんじゃないかと思うけどな。

 今の世の中、不確かなことにあれこれ迷って神経をすり減らすよりも、ああそうですか、と軽く受け流して生きるのもアリかなと思う。だから「エコナ」の商品が店頭から消え去っても、あたしの体内で遊離した「グリシドール」は消え去らず残っていて、何十年後かにそれが悪さをしたら、という余計な心配はしないことにした。

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