2009年11月29日日曜日

蓮舫議員と酒井法子

 行政刷新会議の事業仕分けで「仕分け人」を務めた民主党蓮舫参院議員に対して「あまりに攻撃的」という声があったという。一時は検索ワードで蓮舫という名を入れると「何様」「生意気」という言葉が数多く出てきたそうだ。この事業仕分けをあたしも何度か見聞きしたが、何をもって「蓮舫は何様」だとか「蓮舫は生意気」だとかいうのかわからない。彼女の言葉がキツク感じられるのは確かだ。これも裏返せば、仕分けされる役人の意味不明な、のらりくらりとした返答と比べると蓮舫議員の明快なしゃべりが際立つからにほかならない。欧米などの会議で議論を聞いているとわかるが、真剣な討議では言葉の中に修飾語は一つも出てこない。あいまいな言葉をすべて削除すると蓮舫議員のようなしゃべりになってしまう。

 1時間程度の時間で決めるのは乱暴だの、国家予算の内容が素人に判断できるはずがないなど役人からの批判的な声もあった。ならば予算作りに百戦錬磨の役人がなぜ仕分け人を納得させられないのか。この予算を組んだのは当の役人で、それも昨日今日始まったことではないプロ中のプロだということを考えたら、大人(仕分け人)が年端もいかない子供(役人)を叱ってかわいそうだ、というような役人に対する下手な温情主義は慎むべきだと思う。

 ことは逼迫した国家予算に関することだ。自公政権の時のように仲良しクラブでマアマア言いながら、国民の目の届かないところで予算を決めてしまっていたから、莫大な借金を背負うことになった状況下を考えると、いろいろと意見はあるだろうけど、事業仕分けの「仕分け人」はよくやったと思うよ。蓮舫議員のような国会議員もいることで、日本の国会議員も欧米の討論に少しは太刀打ちできるのかなとも思う。

 一方、これはここに書くことさえもムカツクのだけど、あの酒井法子が創造学園大学のHPに広告塔としてぬけぬけと出しゃばってきたという話。

 あたしは、覚せい剤取締法違反の罪で懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の有罪が確定した酒井法子がどういう気構えでこの3年を過ごすのかと見守っていたが、早速往年の清純女優気取りでHPに登場したのを知って馬鹿馬鹿しくなった。

 そもそも「執行猶予」は「社会生活の中で心から罪を反省し、自力で更生することで二度と罪を犯さないように促す」のが目的という。早々と(東京地裁の判決から1ヶ月も経たずに)商業主義一辺倒の私立大学の宣伝に一役買うことが、「社会生活の中で心から罪を反省する」という態度なのかとあきれてしまう。大学側では酒井法子にギャラなども払ってなく、PRではないと言うが、HPを見たら元清純女優の犯した罪という話題性につけこんだ宣伝そのもので、このことによってこういう疑義に疎いチャランポランな新入生をより多く集めようとする魂胆がミエミエだ。18日に酒井法子が初登校したときには「学生の落ち着いた学習環境が著しく損なわれた」と一応教育者らしい言葉で詰め掛けた報道陣を批判したにもかかわらず、今回の創造学園大学のサイトにあるように、酒井法子を前面に押し出して学校の宣伝をするようなHPの内容は、沈静化しつつあった騒動を必要以上に掻き立て、さらに学習環境を損なうことにならないのか、前に言ったことと逆行するようなことをしてどうする、と大学側に問いたい。

 酒井法子と創造学園大学は互いが自分たちの利益のために、利用できるものなら何でも利用するといった印象を与えてしまうような今回の出来事に、酒井法子は執行猶予中の身にふさわしい社会に対する反省の態度を示しているのか、あたしはますます疑問を持ってしまった。

 蓮舫議員と酒井法子を比べると、比べること自体おかしなことであるが、どちらも女性であり、一方は刃のような言葉を役人に突きつけて少なからず批判される要素をもった国会議員で、他方は清純さを売り物にしてきた昔の功績を今切り売りして再起を図ろうとしている執行猶予の身分。どちらもこの1週間、国民の耳目を集めたことだろうが、強いて近況の弁を語ってもらうとすればどちらか、言うまでもない。

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