2010年2月16日火曜日

腰パン国母選手が私費で参加しているのなら不問

 服装の乱れから抗議殺到のHP男子代表の国母選手であるが、同情的な意見も少なからずあることにあたしは驚く。と同時に、メダルが獲れるのであればこんなことも帳消しになって、大したことないと寛容するその不純な理由付けにも不愉快だ。

 腰パンだとか、牛のような鼻輪をつけることは、個人の趣味の範囲だったら一向に構わない。しかし、20歳を過ぎたいい大人が公共の場で披露するファッションではなかろうし、ましてや税金で賄ったであろう衣服を着、旅費も出してもらっておきながら、立派な評論家たちが、画一的な規制はどこかの国のようだとか、許された個人の演出の範囲だとか、挙句のはてには全体主義につながるとか言っているが、少しピントがぼけていませんか?と問いたい。もしこんな選手がちゃんとした反省(最初の謝罪は論外で、2度目の記者会見も?)もせず、ふさわしい罰も受けなかったら、たとえメダルを獲ったとしてもその重みは半減したものになるだろう、というのがあたしの考えだ

 それでも国母選手のHPの能力は捨てがたいものがあると言うのであれば、深夜のコンビニや駅前広場のボード使用禁止区域で、国母選手のワザにも相当するようなものを持った腰パン野郎や鼻輪を下げた小チンピラがワンサといる。彼らをオリンピックに連れ出したらメダルが容易に獲れるだろう。なぜそういう人間を選ばないのか。

 彼らはたまたま国母選手のように他人に認められるような人生を歩んでくることができなかったため、オリンピックなどと程遠い世界にいるが、あたしはそういう人たちがいても、その若者らの埋もれた才能を褒め称えたり、惜しいと感じたことは少しもない。それは彼らの素晴らしい技量に見合うのと同じくらい、社会のルールを守ったり、人間として恥ずかしくない振る舞いをする素質があるかどうか、彼らの風体からはどうしても判断できなかったからである。

 日本代表選手としてオリンピックに出場するのであれば、国際舞台に立つのにふさわしい最低限の品格がどの選手に備わっていると考えるのは当然だ。今回の件は成績至上主義一辺倒で、最低限の躾さえも教えてこなかった連盟に大きな責任がある。

 今更どうにもならないが、あたしは国母選手を帰国させるべきだったと思う。国母選手は「HPの一部がオリンピック」と言っているから、帰国させてもショックはないはずだ。これは彼にとっても、指導できなかった全日本スキー連盟にとっても、またそのような選手を送り出した日本にとっても大きな痛手だけれど、これがまさしく彼と連盟と日本に対するふさわしい罰であったと思うのだけど。

 国母選手が幸いにメダルを獲得したならば、今度の不祥事に見合った罰を必ず受けるかという保障はどこにもない。連盟も日本の世論も拳を下げ、温情あふれる微罪として済ますだろう。国母選手にとっても、多少のルールを犯しても適当に謝罪すればなんてことない、メダルを獲りさえすれば世論なんて甘っちょろいものさ、という認識を持ったまま、チヤホヤされて次回の冬季五輪開催地ロシア・ソチに腰パン姿で出かけることだろう。

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