2010年2月13日土曜日

与謝野鉄幹も泣いているぞ!

 昨日(12日)の衆院予算委員会で、自民党の与謝野馨元財務大臣が鳩山首相を「ヤクザ」「平成の脱税王」と評したことで、あの与謝野晶子・鉄幹の孫だという血統の重みは半減どころか、皆無に近くなったと思うあたしだ。

 もちろん鉄幹どころか、与謝野晶子も泣いているだろうことは、別のところで書かせてもらった。当の本人は、祖父母に当たる著名な歌人が悲しむような恥ずべきことをしたとはツユにも思っていないようだ。ならばここであたしが、昨日の国会で彼がどれほど間抜けた質問を国の最高権力者にぶつけたか、情報源であるとする鳩山邦夫元総務相の発言を俎上に上げようじゃないの。この際、実の最高権力者は別にいるとか、影の権力者がどうのこうのという議論をする気はない。与謝野氏は国権の最高機関である国会という場所で、国内外が公式に認めている日本の最高権力者に向かって「ヤクザ」とか「平成の脱税王」と言ったのだ。この国会議員ましてや与謝野晶子・鉄幹の孫といわれた由緒正しき血筋を引き継ぐ与謝野氏のこのような発言によって生じるであろういかなる結果も、すべて彼が負うべきだ。あたしが思うに、この発言は委員会で取り上げ、検討されるべき性格のものだ。

 この質疑で与謝野氏が唯一の根拠にしている鳩山首相の実弟、鳩山邦夫元総務相から聞いたという話の中に、首相が直接母親に無心している現場を見たとか、あるいはそのようなことを直接兄から聞いたということはひとつもない。そのことは邦夫氏が記者団に語ってるから明らかだ。邦夫氏は「誰か知らぬが母に連絡を入れて云々」と言い、さらに「兄が言ったのか、秘書が言ったのか知らないが」とも話している。

 母親は電話口で「お兄さんは子分を養うためにお金がいる、と。あなたは子分がいないからいらないの?」と言ったという。これは弟が語ったものだから、兄弟仲違いしていれば、言葉にどんな虚構が隠されているかわからない。かりに母親の発言がこの通りだとしても、どこにも鳩山首相から無心されたという言葉がない。むしろあたしが奇異に思うのは、この後の会話について邦夫氏が何もしゃべっていないことである。母親から「あなたはいらないの?」と聞かれれば「いる」「いらない」のどちらかの返事をするのが自然だ。邦夫氏はどういう返事をしたか。彼は子分がいない辛さを感じたと言っているが、お金の要不要については言及していない。弟にも「知らないうちに」母親から年1億8000万円ものカネが母から提供されていたというから、与謝野氏に兄の「悪行」を思いきり伝えてみたが、それは天に唾する行為でもあったんだ。結局邦夫氏はこのことによってあらためて自分の墓穴を眺めたようなもんだ。

 鳩山首相と邦夫氏に母親から資金が提供され始めたのは平成14年ごろからというのが確認されている。すでに母親から定期的に資金提供がなされているのにわざわざ電話があったというのも信じがたいが、事実としたら、母親から資金の提供が弟にもあったという事が暴露された昨年末のマスコミ報道に対して、「寝耳に水」という邦夫氏の発言は真っ赤なウソの可能性がある。なぜなら母親から電話があったという1年半から2年程前といえば既に母親からの資金提供は「子分のいない」弟にも実行されているからである。母親からの電話は邦夫氏に対する追加の資金援助が必要かどうかの確認だった、とも考えられるじゃん。だとすれば、この時点で邦夫氏はすでに母親からの資金援助は知っていたことになる。第一、「アンタお金必要?」と尋ねられたら、その後の自分のお金の出し入れに関心は持つもんだ。秘書ではなく当の本人にかかってきた電話だからなおさらだ。ましてやこの時には兄に母親からカネが渡っていたのを知っていたのだから、自分だけが援助を断ったのであれば、昨年末に母親からの資金提供が発覚した際の発言は「寝耳に水」じゃなくて、「私は断った」というべきだろう。そして今回の電話の件もその時、明らかにすべきだった。そうすれば兄より潔白だと証明できたのになぜそうしなかった?

 この母親から弟に電話があったということを聞いて、邦夫氏が母親の資金提供を知らなかったというのは事実でない気がする。兄は知っていたというのであれば、弟も知っていたという構図になる。弟は知っていたが、兄は知らなかったという構図も無理なく描ける。このところを邦夫氏は考えて与謝野氏に話したのであろうか。麻布中学、東大法学部を卒業した与謝野氏も、さすがにそこまで考えをめぐらすことはできなかったか。

 とにかく兄弟げんかの果てに飛び出してきたような話に飛びつく与謝野氏も、今回の件で並みの国会議員どころか、自分の国の首相を低俗な言葉で中傷するだけのヤクザ映画を愛する非常識極まりない一老議員だと知って、鉄幹さんも泣いていらっしゃるに違いない。

0 件のコメント:

コメントを投稿