「天下り根絶」を掲げる民主党の政権交代を見越してあるいは現実になって、官僚たちの「駆け込み天下り」が相次いでいるのをなぜ阻止できないのか、あたしは歯がゆく思う。
元国土交通事務次官の峰久幸義氏、銭谷真美・前文部科学事務次官、鈴木隆史・前特許庁長官、事故米転売で引責辞任した白須敏朗・前農林水産事務次官らがそれぞれ天下りしている。そこで高額な給与と退職金をもらい、ますます無駄な税金が使われる恐れがある。
天下りだけではないよ。09年度の補正予算を民主党が執行停止するのを見越して大慌てで執行しようとしている輩がいる。本来なら年度末に残った予算で贅沢な使い方をするのに、今年は急いで消化しようとしている。これも「駆け込み」の予算執行だね。
高速道路やダムや無意味なハコモノ建設でも「駆け込み」の精神は残っているみたい。「もう建設に手をつけてしまって、8割がた出来上がっている。今中止すると、今までつぎ込んだお金がムダになる」という常套句はたくさん。こういうものが完成して、その後維持するための費用、それも高額な人件費が大部分を占める経費がどのくらいかかるか、知れたもんじゃない。
いま話題になっている八ッ場ダム。ここにはすでに9000億円近いお金がつぎ込まれている。最初2100億円の事業費が4600億円に膨れ上がり、基金事業費と起債の利息を含めると8800億円になるという。ここも最初は建設反対の嵐が吹き荒れたんだって。そこで全く建設が進まないダムの代名詞として「東の八ッ場、西の大滝」と言われるようになった。奈良県の大滝ダムは2002年に完成して、試験貯水をしようとしたところ、斜面に亀裂が発生し、居住地域の家屋にも亀裂が入り、そりゃ深刻な状況になったんだ。その後、一部の住民は仮設住宅へ移転を開始した。今では最低限の水位を保ちながら暫定的に運用を行っているが、2009年(平成21年)までは地滑り対策が行われるため完成は遅延している(Wikipedia)という。何千億円もの費用をかけて、いまだに試験運用だよ。本当に必要なダムだったのか怪しいね。
八ッ場ダムの建設地は「ダムの基礎地盤としてきわめて不安定」(1970年(昭和45年)の第63回国会、衆議院地方行政委員会)と指摘されているんだ。国土交通省は地質調査の結果から問題ないと言っているが、この経緯はさきの大滝ダムの時と全く同じ。当時の国土交通省に対する安全の担保はちゃんととっているのか、大滝ダムと同じ様なことにならないのか、あたしは心配している。
行政に翻弄されて、ようやく納得して移転した住民の気持ちを考え、さらに巨大なコンクリートの柱が立ち、周辺の道路が整備され、後は本体の工事に取り掛かるだけで完成すると聞かされると、今までつぎ込んだ費用などもあわせて、ここまできたら作ってしまえとなる気持ちを完全否定するわけではないけど、もっと広く考えて欲しいことがある。
ダム本体を作るとなると、自然環境に対する莫大な負荷が発生するのをご存知ですか。ダムの周辺だけでなく、下流やさらに利根川流域の自然環境にも影響を及ぼす。すでに上流にダムが出来たため、周辺の自然環境が変わり、下流域では漁ができなくなったし、海底の様相も変化した情報があちこちで聞かれるね。これらは金銭では解決できない、人類の大きな損失になるのだよ。
ダム本体の工事はすごく時間がかかる。その前にダム工事反対の住民をあの手この手で懐柔し、宅地を造成し、道路建設に着手し、トンネルを掘りかけ、後戻りできないよう、なおかつこれらが完成しないようにしてから、ダム本体の工事に取り掛かるという、巧妙なスケジュールでダムを完成させようとしているんだよ。いうなれば出前ラーメン屋の「先ほど出ました」と同じ。八ッ場ダムはその典型だ。そういう意味あいで言えば、八ッ場ダムも民主政権ができそうだと判断したギリギリの「駆け込み」工事ともいえる。
無駄なダムを作らない、治水をダムに頼らないということは、地球温暖化対策と通じるところがあると思うよ。あたしたちだけでなく、あたしたちの子供や孫やその先の世代に、今よりもっと良い環境を残していこうと誰しも思うんじゃないかな。そうするためには何が一番良い方法か、おのずと答えは見つかるはずだよね。
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