2010年4月16日金曜日

目を向けたい郵便不正事件公判

 普天間基地移設問題における鳩山首相の迷走ぶりも気になるが、あの郵政不正事件の公判が今大阪地裁で開かれており、こちらの方も十分に目を向けたい。この公判のニュースはどういうわけか特定のローカル局を除いては、テレビでほとんど報じられていない。それほど価値の無いものかと思われても癪に障るから、一部ポイントだけを述べてみたい。

 この事件の内容はネットで調べればわかる事だから、そのことについて今更述べようと思わない。重要なのは、この事件で虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚生労働省元局長・村木厚子被告が、検察の作文で冤罪に仕立て上げられようとしたことだ。偽の証明書が発行されたということは事実と思われるから、このことについては疑義の余地は無い。しかしこの事件に全く関与していないと一貫して主張している村木被告が、あたかもこの事件の中心人物のような扱いで報じられ、そして起訴されたことに大きな疑問をあたしは感じる。

 検察が描いていた事件の構図が、今までの公判における多くの証言で覆され、証人の幾人かは「村木被告は冤罪」「壮大な虚構」とまで言っている。村木被告は15日の公判で「ワナにはめられた感じ」と述べた。検察側は取り調べの段階で得た供述の重要性を押し出してきているようだが、その供述にも疑惑がある。一部の情報では、元傷害保健福祉部長の供述について、小泉純一郎元首相の秘書官飯島勲氏に相談したというのである。また小泉元首相あるいは飯島勲氏のいずれかが「日本郵政公社に口ききをした」との報道(毎日放送)もあり、しかしそれは一瞬にして削除された、という。

 ことほどさように、重要な情報をマスコミが掴んだのはいいが、得体の知れない大きな圧力で報道が規制されるとあっては、民主国家とは言えまい。民主国家の面をして、闇の組織が支配する国ほど扱いにくいものはない。この魑魅魍魎とした郵政不正事件の公判を、多くのメディアが積極的に報道したがらない何かがあるのかもしれない。

 それにしても、検察に勾留され脅されて、作文された供述書にそそくさとサインして保釈を欲した大の男たちに対し、村木被告が罪状を否認するという態度を最後まで貫いたことは、日本男子の価値を極端に下げることにもなったなあ。

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