2010年5月6日木曜日

鳩山首相には3枚舌がある

 鳩山首相は6日、沖縄普天間基地移設問題で「最低でも県外」と言ったことに対し、それは「民主党の公約ではなく、党代表としての発言」と述べた。時と場合によって、言い訳がコロコロ変わる政治家は今までたくさん見てきたが、こんなレベルの低い言い訳は聞いたことが無い。

 現在、鳩山首相は日本国の総理大臣であり、民主党代表である。その首相が個人的な発言、民主党代表としての発言、そして総理大臣としての発言を使い分けて言い逃れている。

 総理大臣の立場になれば、どんな場合でもその発言は総理大臣としての責任と重みを持った発言として受け取られるのが当たり前だ。さらに政権与党の代表者の発言として整合性が求められることは当然だろう。それをある時は代表としての発言だとか、またある時は総理としての自分自身の発言だとか、開き直りのように言い訳する国のトップにあきれてしまう。

 鳩山首相は、「代表としての発言」で「民主党の公約ではない」と言う。確かに民主党の公約には「沖縄の負担を軽減する」とだけあるが、その代表が一歩踏み込んだ演説をして総理になったのであれば、民主党の代表として、また総理大臣としてその言葉に責任を持たねばなるまい。複数の自分の立場を利用して姑息な言い訳をする国家のリーダーをあたしは初めて見た。

ならば今後、鳩山首相が発言するたびに「どういう立場としての発言」か、いちいち確認せねばなるまい。まったくおろかなことであるが。

 閣僚などが時々、「個人的には」とか「一個人として」と言って発言するが、責任ある立場の者がこういう言葉で保険を掛けるのはおかしい。今ある自分の発言に責任を持てなければ言わないことだ。

 英国のブラウン首相が低姿勢で接していた有権者が目の前からいなくなったとたんに「あの偏屈女め」と罵った事件が、日本では日常茶飯事であることを確信する。ただ几帳面な日本のメディアは、政治家の胸からラジオのマイクを取り外すことを決して忘れないことが残念だけどね。

0 件のコメント:

コメントを投稿